◆文章修行家さんに40の短文描写お題◆

00. お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければ一言なにか。
01. 告白
02. 嘘
03. 卒業
04. 旅
05. 学ぶ
06. 電車
07. ペット
08. 癖
09. おとな
10. 食事
11. 本
12. 夢

13. 女と女
14. 手紙
15. 信仰
16. 遊び
17. 初体験
18. 仕事
19. 化粧
20. 怒り
21. 神秘
22. 噂
23. 彼と彼女
24. 悲しみ
25. 生
26. 死
27. 芝居
28. 体
29. 感謝
30. イベント
31. やわらかさ
32. 痛み
33. 好き
34. 今昔(いまむかし)
35. 渇き
36. 浪漫
37. 季節
38. 別れ
39. 欲
40. 贈り物
















□□□ お名前とサイト名をどうぞ。また、よろしければ一言なにか。 □□□
名前:海藤     サイト名:激、喧嘩上等
一言:楽しいです。出来の良し悪しは兎も角。
□□□□□□



□□□ 告白 □□□
聞いて欲しい事があると、彼は空を仰ぐ。
濁った夏の空で、星が鈍く瞬いている。その一つを彼は指差した。
「あれ、俺の故郷(くに)」
□□□ 62文字 彼の名はベジータ 星の名はコリン …スイマセン □□□



□□□ 嘘 □□□
額に触れる絨毯は柔らかい。頭を押さえつける掌は硬い。
耳に当たる銃口は痛く、ボスの声は重い。
「お前の嘘にはやられたよ」
銃声が熱い。
□□□ 64文字 □□□



□□□ 卒業 □□□
睡眠は樹上(安全)、食事は森の恵み(虫)、移動は四足(理由不明)。
勁くなる為師匠に弟子入りして半年。
母さん、人間を卒業しそうです。
□□□ 65文字 一生懸命です □□□



□□□ 旅 □□□
くたばり損いの原付と少しの荷物。行き先は不明。
悪路に幾度か横転する。その都度道連れの猫が不平を洩らす。
見上げた空は曇天。悪くない。
□□□ 65文字 □□□



□□□ 学ぶ □□□
どうも、尻の具合が激しく悪いらしい。
親父はドアの前で一度項垂れ、大きく天を仰ぎ、便所へと消えた。
その背中に悲壮さを学んだ気がする。
□□□ 65文字 何と云うか下品で申し訳なく □□□



□□□ 電車 □□□
幾世紀か前にあった電車とは、大きく箱型で、
干し魚のように連なり、色ンな物を載せ、
そして宇宙を飛ぶのだそうだ。
文献にそう書いてある。
□□□ 65文字 電車って云うと幻想味が薄れる □□□



□□□ ペット □□□
午睡の後、ふいに起き上がれなくなった。
傍にある飼い猫の尻を枯れた掌で撫でれば、猫が振り向き、にかりと笑った。
最期に珍妙な物を見た。
□□□ 65文字 □□□



□□□ 癖 □□□
彼は本を読みながら無意識に毛を抜く。髪に限らず、眉毛や脛毛も抜く。
抜いた毛はきちんと屑入れに捨てているが、
流石に鼻毛はやめておけ。
□□□ 65文字 とても一生懸命です □□□



□□□ おとな □□□
蝶は一度、蛹の中で自身をどろりと融かす。
「だから、大人になる為には一度融けないと駄目なんだね、ママ?」
ええ、そうよ。この硫酸でね。
□□□ 65文字 融けはしないと思うのですが □□□



□□□ 食事 □□□
噛み千切って咀嚼して嚥下する。
唇に付いたソースを指先と舌が拭う。
艶やかな仕草の筈なのに、口から食み出たタガメの脚が台無しにする。
□□□ 64文字 タガメは何となく硬そうだと □□□




□□□ 本 □□□
本が好きだ。タチの悪い事に重厚な本が好きだ。
凶器のような本ばかり集めてしまう。
少し考えた方が良いかもと、足に刺さった本を見て思う。
□□□ 65文字 本は結構危険 □□□



□□□ 夢 □□□
月彩の許、私は彼に追われている。
嗤う彼のナイフが私を突き刺し、劈く痛みに眼が醒める。
其処に彼がいる。私は逃げ惑い、幾度も眼醒める。
□□□ 65文字 何ともありがちで □□□



□□□ 女と女 □□□
「何て馬鹿女なの。その派手な頭は飾りなのね」
「何よ、アンタのデカ頭は飾りにもならない癖に」
「やめなさいよ。ヲカマ同士で醜いったら」
□□□ 65文字 三人目もオキャマさん 何と言って良いのやら □□□



□□□ 手紙 □□□
十年前の私から手紙が届いた。
病院のベッドの上で顫え乍書いた、たった一行だけの手紙。
――ねえ、生きてる?
ええ、生きてるわ。ちゃんと。
□□□ 65文字 □□□



□□□ 信仰 □□□
存在するかどうかも解らぬ者に、誰もが額づき冥加を乞う。
愚かしい。信仰など支配の一手段でしかない。
そう毒づき乍らも、私は奇蹟を施す。
□□□ 65文字 ェー…… □□□



□□□ 遊び □□□
帰るのね、奥さんの所に。ああ、帰るよ。彼女は舌足らずで、彼の声は甲高い。
橘は二人に声を掛けた。
「櫂君、萌君。それは何の遊びかな?」
□□□ 65文字 不倫ゴッコ □□□



□□□ 初体験 □□□
腰がざわつく。脊髄に絡むのは期待か、或いは不安か。
頭で手順を繰り返し、息を吐いた。ドアが開く。
「ファティ」
一声吼えて引き鉄を引く。
□□□ 65文字 初めての人殺し パパネタ楽 □□□



□□□ 仕事 □□□
熱く濡れた眸は黒玻瑠、半ば開いた朱唇は鬼灯。
いいかい。後見人の声が胸を軋ませる。仕事だらかね、惚れちゃあ駄目だよ。
解いた躰が痛い。
□□□ 65文字 意味解んね □□□



□□□ 化粧 □□□
紅を差し、眉に墨を入れる。
其れは儀式にも似た行為。刷毛が紅筆が躰を鼓舞する。
きるきると背後の襖が開いた。 「お父さ……」
何てこった。
□□□ 65文字 家の中でぐらい やりたいようにやらせてやれ… □□□



□□□ 怒り □□□
血管が収縮するのが解る。瞳孔が開いて、くらりと意識が揺れる。
顫える拳を同居人の腹に押し当てた。
「秘蔵の海鼠腸勝手に食ったろ。吐け」
□□□ 65文字 海鼠腸(コノワタ)=ナマコの腸 発想貧困 □□□



□□□ 神秘 □□□
朝刊を脇に挟み、腰を浮かす。純白の便器に横たわる純白の朝一番。
バリウムは色んな意味で凄かった。私は小さく唸る。
うーん、神秘的。
□□□ 63文字 ホントスイマセン □□□



□□□ 噂 □□□
あの転入生、唇紅すぎない? 塗ってるんだって、口紅。私は血だって聞いたよ。違うよ、血は啜ってるんだよ。ヤダ、吸血鬼じゃん。
「正解」
□□□ 64文字 ダメだ何にも思い付かねぇ… □□□



□□□ 彼と彼女 □□□
開いたノートに彼女の字が踊る。手首を切った、と。
彼は手首を見る。傷口から止め処無く血が零れている。
痛みはいつも彼に押し付けられる。
□□□ 65文字 説明を要するネタは駄目でしょうよ □□□



□□□ 悲しみ □□□
疲れたよ。部屋に明りを灯す。生きるって面倒臭いね。独りきりの部屋。何で生きるのかな、ねえどう思う?
仙人掌は相槌すら打ってくれない。
□□□ 65文字 つД`) □□□



□□□ 生 □□□
私は貴方に感謝する。貴方が産まれ、生きてきた事に感謝する。そうして私はナイフで肉を切る。朱い肉と血汁。
「ウエルダンて言ったのに」
□□□ 64文字 ナマって読んだ 駄目だコレ □□□



□□□ 死 □□□
死にたいと彼女が云う。死になよと私が応える。
一緒に死んで。いいよ。
二人で手摺を乗り越える。何度繰り返したろう。
既に死んでいるのに。
□□□ 65文字 又してもありがちな… □□□



□□□ 芝居 □□□
聖夜、母は豪勢な料理を作り、私はケーキを焼き、父は贈物を両腕に頬笑む。
今宵一時の夢。
朝になれば彼等は役者に、私は孤独な老婆に還る。
□□□ 65文字 □□□



□□□ 体 □□□
足は逃げられないように切った。腕は抵抗出来ないように腐らせた。唇は罵倒に耐えかねて縫った。
おぞましい体の貴方。でも可愛い貴方の体。
□□□ 65文字 ネタ枯渇 □□□



□□□ 感謝 □□□
「おはよ。ホラ、お弁当。ち、違うわよ、一つより二つの方が作り易いだけよ! 勘違いしないでよ!」
「しないわよ! でも……あ、ありがと」
□□□ 64文字 ダブルツンデレ コレはコレである意味 □□□



□□□ イベント □□□
「冬のイベントに向けて頑張らないと」
「あら、クリスマス? バレンタイン? いいわね若い人は」
「やだな、冬といえば冬コミじゃないですか」
□□□ 65文字 一般人を巻き込むのはやめて □□□




□□□ やわらかさ □□□
弾力はなければならない。凡てを包み込む深さがなくてはならない。
郷愁の湧く柔らかさでなくてはならない。
よって、デブの乳は乳ではない。
□□□ 65文字 ちち □□□



□□□ 痛み □□□
信じてた。どんなに時を経てもアナタは大丈夫だと。
なのに、噫乎、この痛み。この疼き。この奈落。
たかが半年熟成で裏切るのか、馬鈴薯よ。
□□□ 65文字 芋だろうが何だろうが痛む時は痛む □□□



□□□ 好き □□□
鼓動が早くなって、呼吸が荒くなって、血圧が上昇して、顔が火照って、
嗚呼、何だろコレ、どうしたんだろ私と思ってたら、
その後、倒れた。
□□□ 65文字 脂質の摂り過ぎに注意して お題に沿ってないなんてきっと気の所為 □□□



□□□ 今昔 □□□
昔、彼は悪童だった。蛙を爆発させ金魚を下ろし僕を苛めた。
今、彼は僕と並んで化粧をしドレスを着て店に出ている。
ようこそクラブ髭姫へ。
□□□ 65文字 ひげガールのネーミングは秀逸 □□□



□□□ 渇き □□□
頭が痛い。多量の酒精に喉が渇く。嗄れた声で相方に水を頼む。
相方は水を己が口に含み、唇を差出した。
宿酔の朝にそんな生温い水は要らん。
□□□ 65文字 宿酔になる程呑んだ事ねえや □□□



□□□ 浪漫 □□□
其は秘された深海の藍。高く深い穹天の蒼。神の与し青に僕等は夢を視る。
二つの山と双つの丘と昏い渓谷を持つ紺碧。
其は名をスク水と云う。
□□□ 65文字 変態は浪漫の心の友だと思ってる □□□



□□□ 季節 □□□
春は馨る梅で酒を呑む。夏は瞬く蛍で酒を呑む。秋は玲瓏たる月で、冬は可憐な雪で酒を呑む。
私の季節は年中、酒。
酒は移ろい、繰り返す。
□□□ 64文字 酒は良い □□□



□□□ 別れ □□□
私と君が出逢ったのはほんの十月程前。
私は君の命綱だった。君は私を通して命の糧を得ていたのだよ。さあ、お別れの刻だ。
君、産まれ給え。
□□□ 65文字 臍の緒 □□□



□□□ 欲 □□□
欲しなさい。産婆が云い、尻を叩く。産声も上げれぬ逆子の子。
欲しなさい、命を、貪欲に。
尻を叩く。刹那、空間が破裂する程の呱呱。
命を。
□□□ 65文字 上とカブってるんじゃない 上の続きなんだ と云う事で □□□



□□□ 贈り物 □□□
毎日毎日贈り物が届く。送り主は解らない。
けれど、きっととても素敵な人。
だってホラ、今日も私の大好きな匂い立つ贓物が箱一杯に。
□□□ 62文字 シメがコレ □□□


Written by kaito





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