幽かに音がする。彼女は眼を開け、薄暗い天井を凝視めた。
とてもか細い旋律が部屋の床を這っている。どうやら唄のようだと彼女はベッドから抜け出し、音源を探る。
ベッドの下を覗き、ラグを捲り、鏡台の引き出しを開けて、ああ、と彼女は手を打った。
きっとアレに違いない。
旅行から帰って来た侭、片付けられていないトランクを開け、彼女は数日前にとある島で手に入れた干し首を取り出した。
月の光に首を翳す。首はかぱかぱと口を動かし、確かに唄っていた。
そっかぁ、と彼女は溜息と共に呟く。
やっぱり一人じゃ寂しいもんねえ。
今すぐは無理だけれど、お金を貯めてまたあの島へ行こう。
そうして彼の友達になるような首を、また刈ってこよう。
**************** どうでもいい糞駄文の見本ですな。
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